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ごあいさつ   

                                                                

   須賀川美術協会展は、小規模ながら県内屈指の歴史を誇る美術展であります。 1946年(昭和21年)10月に発足した須賀川美術協会は、その年の12月に創立記念第1回会員展を開いています。以来あまたの困難を乗り越えて、今年第91回展を迎えたのであります。

 須賀川美術協会を立ち上げた1946年という年は終戦の翌年に当たり、創立会員の一人(故人)は、1992年発行の創立45年誌に、次の一文を寄せています。「戦後の混迷期同行の士が本会を発足させた頃は、画材も酒も手に入らず、亜鉛剤で自絵の具を作り、薬用アルコールで気焔をあげていた。」と、まさに物不足食糧難の貧困時代を象徴することばであります。 ちなみに第1回福島県展は1947年に、第1回県南美術展は1950年の開催でした。それらにさきがけての第1回須賀川美術協会展であり、先輩諸氏の先見性とラジカルな行動には、いまさらながら頭の下がる思いにかられるのであります。 そのすばらしい先輩諸氏の志を受け継ぎ80回展にも及ぶ営みの中で、優れた作家を数多く生み育ててきたことは言うまでもありません。そして今、県の内外において鋭意活躍中の本会出身作家も少なくありません。 この展覧会はさらに市民の皆様方や各界のご支援ご協力のもとに、須賀川美術協会展は毎年公募展の形で開催しています。須賀川市民はもとより近隣市町村の美術愛好家に呼びかけ、幅広く充実感のある展覧会を目指して大きな成果をあげているところです。特に近年は高校生などの若い青少年の作品応募も多くなり、その若さあふれる好奇心と新鮮味のある作品に期待感が深まっています。 こうしてわが協会の会員会友は一丸となって、地域の芸術文化の向上発展に貢献すると共に、美術活動を通して青少年の健全な育成を図る努力を重ねているのであります。 ここに91回展を記念して、ささやかながら会員会友の作品集を編纂し、広く皆様方のご高評を仰ぎつつ、先輩諸氏に恥じない研さんに励んで参りたいと存じます。 

                                           2024年3

                                    須賀川美術協会 会長 深谷  滉

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